2024/9/13
カテゴリー:カイロの豆知識・お役立ち情報

寒い季節や身体が冷える時に重宝する使い捨てカイロ。
中には何が入っているのか、なぜ温かくなるのかをご存じでしょうか?
当記事ではカイロの成分と発熱の仕組みについてわかりやすく解説します。
使い捨てカイロの温かさのもとは酸化熱です。
カイロを袋から出すと、中に入っている鉄粉が酸素に触れて酸化します。
私たちがふだんよく目にする「さびる」という現象です。
鉄が酸化する化学反応の過程では、酸化鉄だけでなく熱も生成されます。
この熱(酸化熱)によってカイロは温かくなるのです。

カイロの中には鉄粉だけでなく、酸化を促進する水や、発熱反応をコントロールするための成分が入っています。
次は何がどのような働きをしているのか見ていきましょう。
使い捨てカイロの中身は、鉄粉・水・活性炭・保水材(バーミキュライト・吸水性樹脂・木粉など)・塩類の5つです。

各成分は、それぞれ以下のような役割を担っています。
    ■鉄粉
    カイロの発熱の主役であり、原料の半分以上を占めます。
    酸素と反応して熱を生み出します。
    鉄粉が酸化する速度によって熱の持続時間が決まり、鉄粉の量が多いほど長時間にわたって発熱します。
    ■水
    鉄粉の酸化反応には水が必要です。
    水によってカイロ内に適度な湿気が保たれ、発熱がスムーズに進みます。
    ■保水材(バーミキュライト・高吸水性樹脂・木粉など)
    カイロ内の水分をコントロールし、発熱反応を安定的に維持します。
    (水分が多すぎると反応が早く進みすぎ、少なすぎると反応が進みません。)
    ■塩類(塩化ナトリウム・塩化カリウムなど)
    水に溶けて鉄分と触れ合うことで酸化反応を促進します。
    適切な量の塩類が含まれていることで、反応のスピードが適度に調整され、持続時間が安定します。
■活性炭
表面の小さな孔に空気中の酸素を取り込んでカイロ内に供給し、酸化反応を促します。
酸素供給のバランスが取れていないと反応が遅くなったり、反応が早く終わったりします。
    これらの5つの成分を不織布などの袋に入れたものがカイロです。
    各成分の特性や相互作用を活かし、長時間にわたって適度な温かさが保たれるよう作られています。
外袋には、空気の侵入を遮断できる特殊なフィルムが使われています。
外袋を破ってカイロを取り出すと、酸素がカイロの中に入って発熱反応が始まります。
製品によりますが、一般的なカイロの平均温度は50~60℃、持続時間は10~14時間程度です。
長時間使えるカイロですが、「ちょっと使ってまた後で使いたい」という場合もありますよね。
そんな時は一度酸化反応を止めればカイロを長持ちさせられます。
カイロに酸素が入らないよう、密閉できる保存袋などに入れてしっかりと空気を抜いて冷暗所で保管しましょう。
温度の高いところで保管すると、カイロ内部で反応が起こる可能性があるためです。

再度使う時は、保存袋からカイロを出して手で揉んでみてください。
カイロが酸素に触れれば、また酸化反応が始まって温かくなります。
使い終わったカイロは、下記のとおり4つの方法で再利用できます。
2.消臭剤
靴箱やお部屋の消臭剤としての再利用が可能です。
3.土壌改良剤
園芸、ガーデニング、畑仕事をされる場合、土壌改良剤として再利用できます。
4.水槽の水質改善
水に入れると臭いやヘドロの発生を抑えられることがあります。
							
■関連記事:使い捨てカイロを再利用する4つの方法!捨てる手間が省けて一石二鳥
なお、カイロを処分する際は必ず冷ましてから捨てましょう。
未使用の場合、古いものでもそのまま捨てず、袋から出して発熱させて冷ましてから処分します。
分別については、自治体によって「不燃ごみ」「可燃ごみ」「金属・陶器・ガラスごみ」など取り扱いが異なります。
各自治体のルールをよくご確認ください。